『i240』は岩の井の新しい純米吟醸シリーズである。「i240」の”i”は、岩の井の頭文字、”240”は仕込み水の硬度を表している。この硬度は酒造りにとって極めて重要で、硬度が高いほど酵母の発酵力を高め高アルコール度の切れの良い辛口の酒に仕上がりになりやすいのだ。
千葉県で開発された酒造好適米「総の舞」原料のi240シリーズの純米吟醸無濾過生原酒。
口に含むとやや堅い酸味を伴って口に広がる。硬水特有の剛健な佇まいなのだが、辛味の中にもしっかりとした甘みも含まれている。
最近流行の甘酸系とは袂を分け、しっかり発酵させてアルコ-ル度も高めの17度。うまみの中にしっかりと辛味、苦みが主張している。しかしそれほど重くもなく切れも良い方だ。
香りは甘い香りだが控えめな印象。料理の邪魔にならず和食と相性も良さそうだ。
長年総の舞を使ってきているので実にうまく使いこなしていると思う。総の舞は厚ぼったい酒になりがちなのだ。しかしこの酒にはそういったネガティブさがない。いいお酒です。