■目指したのは最良の食中酒…岡山産雄町100%ピュアな生原酒
木戸泉の新酒シリーズは、同じ生原酒でもアルコール度数が16~18度の高めであるのに対し、PUREシリーズは食中酒として最良のパフォーマンスを目指したため、あえて原酒ながら16度に押さえたところがミソです。
『PURE PURPLE』は岡山産雄町を原料とした無濾過生原酒。原酒といえども先に言ったように16度で押さえて食事に最適化してある、一般の食事にはそれ以上では酒が主張しすぎるからだ。重すぎず軽すぎず、ちょうどいいところが16度と判断した。
雄町を原料としたこの酒は、山田錦と比べるとずっとライトでフルーティな口当たり。ジューシーとも言える。従来の木戸泉の高温山廃造りからすると、アフスを除けばこんなに一般受けしそうな酒はなかった。古きを知る木戸泉ファンには物足らないかも知れないが、むしろ若い世代にはすんなり受け入れられるだろう。
やや個性は薄れたが、それが悪い方に作用したわけではなく、誰にでも気兼ねなく美味しく飲めるようになったと言うこと。"PURE"が示すところはそんなところなのかも知れません。