硬度は水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル量によって左右され、硬質で有名な「宮水」で100程度、国産ミネラルウォーターで30~40くらいですから岩の井の240がいかに硬質か分かる。この高硬度の仕込み水が、岩の井の豊かで切れの良い辛口の酒を生み出す原動力になっている。この酒はその高硬度を全面的にフィーチャーし、ある意味岩の井らしくない、プリント瓶でのモダンなボトリングで仕上げた。
さて山田錦である。山田錦の55%精米。それを無濾過原酒で仕上げてある。酒色は無濾過故、ほんの少し色づいている。香りも岩の井と思えないくらい梨や柑橘の華やかな印象。
この酒は速醸モト(酒偏に元)ながら実に旨みに富んだ酒に仕上がっている。以前の山田錦とはかなり異なり、酸が多いながらも滑らかで口当たりがいい。
辛味主体だがジューシーな甘みも感じられ、フレッシュな口当たりとともにすこぶる現代的なお酒と感じる。新デザインとよくあっていると思う。
アルコール17%は最近の生原酒の中ではかなり高アルコールだが、プチプチとした口当たりとフレッシュさでそれを感じさせない。初心者でもベテランでも楽しめる酒に仕上がった。ぜひ♪