『i240』は岩の井の新しい純米吟醸シリーズである。「i240」の”i”は、岩の井の頭文字、”240”は仕込み水の硬度を表している。この硬度は酒造りにとって極めて重要で、硬度が高いほど酵母の発酵力を高め高アルコール度の切れの良い辛口の酒に仕上がりになりやすいのだ。
岩の井といえば山廃仕込み。この純米は自慢の山廃モトで仕込み上げました。原料米は五百万石、酵母は協会601号、通称新政酵母です。6号酵母は高精白の速醸、吟醸向きの酵母と言われ低酸が特徴です。
しかし今度の酒は70%の純米酒。しかも山廃モトでの起用ですから、蔵人も冒険した造りとなりました。
香りは新酒バナのあるやや揮発性の高い香り。スーッとした香りです。
口に含むと辛味につながる荒々しさが有り、それがフレッシュといえばフレッシュ。新鮮といえば新鮮。
ただ、まとまりという点ではまだまだで、その辺りは逆に山廃らしさを感じる。
今ゴリゴリの荒々しさを楽しむか、冷蔵庫で半年後、一年後くらいが落ちついて、味がこなれていい頃合いでは無いかと想像を浮かべる。3~4本購入しておいて、毎年一本ずつ開封。飲み比べるのがお薦めの見方。