「野田」といえばキッコーマン醤油のお膝元で、銚子と並んで日本を代表する醸造の街だ。それだから醸造に適していることは間違いない。その野田で、いや東葛地域で唯一残った酒蔵「窪田酒造」の純米酒。
酒名の勝鹿は、東葛地域がかつて「葛飾」と呼ばれていたところから付けた、と推測できる。
今回飲んだ酒は製造日より10ヶ月あまり経っていたお酒。それ故か、香りも味わいもやや熟成感を強く感じる結果になった。酒色は気になるほど付いていないが、香りはツンとした熟成酒特有のもの。
味わいも甘みがあり苦みを伴う辛さを感じ取れる。
ただ舌触りは非常に滑らかで、良い酒質を感じ取れた。もう少し早く飲んでおけば、もっとこの酒の醍醐味を味わえただろう。
山田錦らしい濃厚さと口あたりの滑らかな美酒に違いない。最近のさらりとしたお酒とは異なる、古き良き時代の純米吟醸酒である。