原料米に県産の酒造好適米「総の舞」を用いた純米吟醸酒。
酒色は透明感高くわずかな色づき。香りもかすかな吟醸香と木の香りが心地よい。
口に含むとなるほど+8だ。辛みを結構感じる。しかしそれほど重くなく、軽快な印象だ。酸もこなれて数値ほど感じない。飲み干せば甘みの感じるが、全体的にさわやかな印象だ。このシリーズ通してこれだけ酸度があっても酸っぱいという感じは受けない。いや、最初は感じたが、半年ほどの熟成ですっかり丸みを帯びたという印象だ。
どれもいい仕上がりで岩の井の実力をうかがわせる。
純米吟醸らしい香りのある酒だが、いわいるフルーティ系ではない。やはり味吟醸だ。現代の流行からは路線が違う我が道を行くというスタイルを貫いている。
『山廃の岩の井』らしくその系統を強く受け継いでいると感じる。山廃でなくてもやっぱり岩の井の酒と主張しているようだ。
【蔵元から】 香り控えめの辛口純米吟醸酒。鰺のなめろうとの相性が良い。